2006年11月

2006年11月29日

● IBM Web Innovation Forum 2006 開催中

日本IBMのWebサイトで、研究・教育機関向けのWebセミナーIBM Web Innovation Forum 2006が12月22日まで開催されています。

内容は、

・基調講演

「大学のパラダイム・シフト 」と
「グリッドによるHPCイノベーション 」の
二つの講演

・テクノロジー トラック

「Blue Geneスーパーコンピューターをはじめとした比類なきイノベーションによって、世界をリードするIBMの最先端テクノロジーをご紹介します。」とうたって、HPCにも関係した内容を5人のスピーカーが話しています。

・このセミナーのしくみの面白いところは、忙しいので10分だけ聞きたいと指定すると、10分間の要約を自動的に提供してくれる点です。

なので、そろそろ師走の声が聞こえる頃ですが、忙しい研究・教育者の方も一度立ち寄ってみられたらいかがですか。

● SC06 ゴードンベル賞等の受賞者

遅ればせながらSC06のプレスリリースによると、

・今年のゴードンベル賞はBlue Geneを使用した3チームの中から下記の2チームが受賞しました。

1. Gordon Bell Prize for Peak Performanceが、207.3 TFLOPS達成のBlue Gene/Lによる電子構造計算を行ったカリフォルニア大,LLNL等によるチーム
2. Gordon Bell Prize for Special Achievementが、"sustain up to 20% of the peak performance"達成のBlue Gene/LによるQCD計算を行ったIBM Research等のチーム

・ファイナリストとして産業界向けのアプリケーションに挑戦した秋葉チームは残念ながら受賞を逸しましたが、個人的にはペタスケール時代に魁て、さらに可能性の追求を期待したいものです。

・また、MD-GRAPE3による論文理研チームが185 TFLOPS達成によりゴードンベル賞のHonorable mention(いわば佳作(小柳レポートによる))になりました。

・ゴードンベル賞のほかに、Challenge賞としてAnalytics Challenge、Storage Challenge for Large Systems、Storage Challenge for Small Systems、Bandwidth Challenge の4つの賞があります。

・この中のStorage Challenge for Large Systems筑波大・KEKチームが受賞しています。

cheer_hpc at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

2006年11月25日

●DARPAのHPCSがPhase IIIへ

・米国の国防のための2010年のハイエンド・コンピューティングの目標に対し、テクノロジーと能力のギャップを埋めるというのが、国防省DARPAのHigh Productivity Computing Sytems(HPCS)イニシャティブのビジョンです。

・このプログラムは、Phase I, Phase IIと進み、そのたびに参加メーカーが絞り込まれ、11月21日の発表では、Phase IIIにはIBMとCrayが選ばれ、引き続き開発資金が提供されることになりました。
CNET Japan記事→ DARPAのスパコンプロジェクト、IBMとクレイに引き続き資金を援助へ。原文は→ Sun knocked out of DARPA supercomputer project

・上の原文が示すように、参加メーカーが2002年のPhase Iの時にはHP, SGI, SUNそしてIBM, Cray、2003年からのPhase IIではSUNとIBM, Crayのみ、Phase IIIではIBM, Crayと厳しい勝ち抜き戦が延々と続いてきました。

・その間には、CrayのHPCSを担当していた有名なBurton Smithが昨年SC05直後にマイクロソフトに移ると報道され話題になり、またCrayの社長にはIBMのDeep Computing営業部門の責任者で、たびたび日本にも来ていたPeter Ungaroが就任しています。

AMDのプレスリリースによると、Cray製HPCSにはAMDのロードマップにあるプロセッサを使うことで進めていくようです。

・IBMは長年HPCSのためにPERCS - Productive, Easy-to-use, Reliable Computing Systemというシステムを研究してきましたが、これの成果とPOWERプロセッサーのロードマップへの信頼が最終選抜の決め手として大きかったのだろうと個人的に思っています。
POWERプロセッサーは現在POWER5+がIBM System p5サーバーなどに使用されていますが、IBMのプレスリリースによるとHPCSには二世代後のPOWER7を使用するとなっています。これに加えて革新的なPERCSの研究成果がソフトウェア/ハードウェア両面にどのように反映されていくのか興味深いところです。

プロセッサーの開発・変遷を長年見ていると、この二社(+AMD)がHPCSの現実的な解だったというのも自然なことでしょうか。
これで2010年に実現しているだろう米国のペタFLOPS級(サステインド性能)システムは、少なくともBlue Gene/P, RoadRunner, HPCSの三種類のシステム、そしてそのメーカーはIBM、CRAY(+AMD)へと絞られてしまいました。


cheer_hpc at 16:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!閑話休題  | ニュース

2006年11月19日

● SC06スナップ

・行きと違って、シカゴ経由の帰りの飛行機は予定よりも30分以上も早く成田に到着。フロリダ帰りには寒気が一段と感じられた成田でした。
SC06-シャトルとコンベンションセンタ・タンパで開催されたSC06はホテルが会場のタンパ・コンベンション・センターの遠くに分散したため、シャトルバスが朝から7:00PMまで15分間隔で往復するシステムで、これがなかなかちょうほうでした。
バスも大型のリムジンバスです(写真)。
バスの後ろに見えるのがSC06会場のタンパ・コンベンション センターでダウンタウンの川岸に位置しています。

SC06 opening ・SC06のオープニングとキーノートは、会場のボールルームを全部つないだ横長のスペースで行われました(写真)。そのため7セットのスクリーンをセットして講演者の顔とスライドを映しています。キーノートは発明家のRay Kurzweil氏が"The Coming Merger of Biological and Non Biological Intelligence"の題で話しました。25分も時間を超過した饒舌さでしたが、日本人の参加者にも大いに受けたかというとちょっと疑問かも知れません。

SC06-川べりのテセス ・お昼はだいたいの人がコンベンションセンターのロビーやテラスのあちこちにあるコーヒーショップなどで取ってました。写真は川べりのテラスで、ハンバーガーか何かの肉を焼いているいいにおいの煙がショップからたなびいていました。
講演や展示会で疲れたときに、このようなところで一休みできると時差ぼけからまたリフレッシュできるというものです。よい天気でした。


SC06-配布物 ・写真はSC06のテクニカルセッションに登録するといただけるカンファレンス・バッグの中身です。
真ん中のCDがプロシーディングスで、紙の分厚いプロシーディングスを配らなくなってからもうだいぶ経ちました。
手前がRenoで開催されるSC07の案内、左の漂着ビンもどきにはマイクロソフトからのディナー招待状が入っていました。こうした遊びが見えるのもアメリカのコンファレンスらしくて楽しくなります。

さて来年はネバダ州のRenoです。小柳レポートによると第二回(1989年)がRenoだったので先祖がえりです。私個人はなぜか1986年6月に何かの国際会議でRenoに滞在しています。20年前の会議の内容はすっかり忘れてしまいましたが、山の上の狭い空港に飛行機が滑り込むまでのスリルだけはしっかりと覚えています。いまもそうなんでしょうか。

cheer_hpc at 18:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!閑話休題  | SC06

2006年11月16日

● SC06 (その2)

・SC06テクニカルセッションの二日目が終わり、明日は早朝に日本に戻るので、ざっと書き漏らしたことをまとめておきます。

・まず来年のSC07はネバダ州のRenoで11月10-16日に開催されます。

・今回の展示ブースはいつもより狭くなったとのことでしたが、逆に広すぎて閉口することもなく、じっくりと各ブースを見ることができました。日本からの各出展ブースも特に一箇所に集中することもなく自然な感じで溶け込んでいました。

・AIST, RIKEN次世代スーパーコンピュータとGRAPE、JAXA, NAREGI, 統計数理研究所、ITBL、防災研、東京大、筑波大、東北大、同志社大、東工大、九大、埼玉大、埼玉工大、国産メーカー各社が単独や共同でブースに参加していました(もしかしたら他にもあったかもしれませんが、気がついたまま。もれていた時はご容赦ください)。

PetaScaleについては、個別の発表のほうにpetaFLOPSまたはそれ以上の時代を意識したものが現れていて全体の方向をリードしている段階と見受けられました。BOFなど多数が参加するセッションでは批判的な意見がでたりして全体が盛り上がる前の段階にあるという印象です。

・その点具体的にCell BEやそれを使ったハイブリッド・スーパーコンピュータRoadRunnerのセッション、さらにハイブリッド・プログラミング・モデルのセッションは関心が高く、立見になるような状況でした。

・Blue Gene/Lの次と言われているBlue Gene/P、その先のBlue Gene/Qについても政府側のASCがこの名称をBOFでの発表で使ったり、IBMブースではBlue Gene/Pのシステムボード二個が何気なくBG/Lの横に立て掛けて説明をしていたりと、あたかも既成事実になったかのようなSC06でした (もちろん正式な発表はIBMからもASCからも何もされていません)。

・RoadRunnerのセッション、さらにハイブリッド・プログラミング・モデルのセッションの内容は改めて紹介するつもりです。

SC06は話題性からもIBMがだんとつだったと感じましたが、しばらく続くだろうこの転換期に、各メーカー、大学・研究機関、日本の国家プロジェクトがどのような姿をこれから見せてくるでしょうか。ある意味、HPCは非常に期待され、挑戦しがいのある新時代に入ってきたようです。

cheer_hpc at 12:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

●Gordon Bell賞ファイナリスト講演から

・Gordon Bell賞の最終選考に残った論文発表が今日の午前午後に分かれてあります。いま午前が終わったばかりです。受賞者の発表は帰りの飛行機に乗っている明日でした。

・最初の論文発表は、BG/Lの6万4千ノードを使用したLLNLによるMD計算がサステイン性能で207.3TFLOPSを達成したものでした。

・次に産業界のアプリケーションというSC06ではユニークといってよい、携帯電話の落下衝撃解析をBlue Geneの8,192ノードを使用して1.27TFLOPSを達成した秋葉博氏の発表です。

・論文では538GFLOPSと記載されていますが、その後の努力で2倍の性能になっています

・8,192ノードのBGのピーク性能が22.4TFLOPSのため実性能比が低いように見えますが、絶対性能が解析者には重要なので、CAEの実アプリケーションでは画期的なことと思われます。

・モバイルホンは198個の部品で構成されていて、そのモデルサイズは1億百万ノード。これを2.5msまでの計算をわずか100ステップで計算しています。これは陰解法を使っているためにタイムステップを大きく取れるためと思われます。

・この計算にはImplicit, Domain Decompositiion Method FEAプログラムADVCが使われています。

ちょっと残念だったのはSC06の参加者がこうしたアプリケーションに関心が低いのか途中退席者がやや目だったことでした。

cheer_hpc at 03:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

●渡辺貞氏がCray Award受賞講演

・HPCシステムのアーキテクトに贈られる最も名誉なCray Awardを、今年は日本人では初めて渡辺貞氏(次世代ス−パ一コンピュータ開発実施本部プロジェクトリーダー)が受賞しました。渡辺氏はNECのベクトル・スーパーコンピュータSXシリーズ、地球シミュレータの設計者としてよく知られています。
・けさ(11/15)の受賞講演もまずSX-1から最新のSX-8までの変遷をわかりやすく紹介しました。それによるとシステム性能は5万倍、CPU数が4,096倍、メモリサイズはなんと26万倍になっているそうです。
・その後、Top500の一位をしばらく占めていた地球シミュレータ(ES)のシステムと、それにより実現したファイン・グリッドによる地球規模の風と台風のシミュレーションのアニメーションを紹介しました。
・フロリダ半島周辺のハリケーンをカナダの研究者がESでシミュレーションしたアニメーションを紹介したときは、明日タンパを襲うかも知れないというジョークで会場がわきました。
・最後に2006-2012で1,100億円の予算を予定し、2011年FYの終わりにHWが稼動する日本の国家プロジェクト―次世代スーパーコンピュータの簡単な紹介、そして9つのRuleで締めくくりました。

なにより高いレベルの継続的な実績に裏打ちされた講演は、多数の参加者に深い感銘を与えていました。

cheer_hpc at 01:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

2006年11月15日

●Top500スーパーコンピュータ・サイト '06/11版

・さきほど17:30からのTop500 BOF(Birds of a Feather)が終わり、Top500の11月版の発表とその詳しい分析が発表されました。
・途中から出たのでTop500リストはWebをご覧いただくとして、TopはBlue Gene/Lで変化なしです。
・前回(6月版)11位だったヨーロッパ最大のバルセロナ・スーパーコンピュータ・センターのIBM JS21ブレード・サーバーによるシステムが5位に浮上していました。段々下がっていくのが普通なのに珍しい例です。
・前回6位と、いま日本で唯一Top10に入っている東工大のTSUBAMEは次々と現れた新手により今回9位に下がりました。
・分析結果については、アーキテクチャ、プロセッサ、メーカー別、国別等々Webにも掲載されている図を使って説明が行われました。
・これとは別に、電力消費が年々おおきくなっているのがHPCシステムの問題であるとして、今後こうしたデータも集めて方向を誤らないようにしたいとの表明があり、さらに
・LINPACKのみに注目したTop500では最近の複雑化したシステム、たとえばメモリーハイエラキーの影響、を評価できなくなってきているのではないかということでHPC Challengeベンチマーク問題をもっと広く進めようといったことをLINPACKを作ったDongarraが強調していました。

彼は、LINPACKベンチマークは70年代のコンピューターを念頭に作ったのでもう役目は終わったと言いたいようでしたが、これは簡単でわかりやすいだけに、HPC Challengeのように数個の指標を示す方式が改善策として一般的に受け入れられるかはまだ不明に見えます。


cheer_hpc at 11:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

●SC06会場から(1)

・今日のキーノートからSC06のテクニカルセッションと展示が始まるので、フロリダ州タンパに来ました。
・成田でいきなり出発便が3時間半遅れというハプニングにぶつかり、タンパのホテルにたどり着いたのが1:00 AMという幸先の悪さですが、今日は快晴で海風が湿気を少し運ぶ気持ちのよい日になっています。
・キーノートはじめさっき終わったばかりのBlue Brain Projectなど、アプリケーションについてはBiologyもしくはLife Scienceがやはりここ米国・ヨーロッパではドライビング・フォースになっている印象を受けました。
・展示も今日のキーノートの後から始まりました。日本からは産総研(AIST)が天井にとどく大きなロゴと大きなスペースで展示していますが、他にもさまざまな大学・研究機関が小さいスペースながらも活発な展示をしています。
・写真はIBMの展示ブースです。SC06 IBM
・SCinetの無線LANが会場の大半で提供されているので、たいへん便利です。もとろんそれを利用してこの内容も送っています。

まずは一報ということで詳細はまたあとで。

2006年11月11日

● SC06 Just Now

SC06でのIBMの展示シアターでBlue Gene以外にも面白い講演があるのがわかったので二、三紹介します。

・まず発表以来ベールをかぶっていた感のあるLos Alamos National LaboratotryのRoadRunnerスーパーコンピュータに関した講演が二件あります。

・11/14 12:30〜 "The New Roadrunner Supercomputer: What, When, How"、スピーカーはLANLの科学アドバイザのKen Kochです。

・同日 15:00〜 "Enabling Applications for Hybrid Architectures"、スピーカーはIBMチーフアーキテクトのCatherine Crawford。

彼女は翌日にはCellのプログラミングの話もします。
・11/15 16:30〜 "Cell Broadband Engine Software Developers' Kit: Past, Present & Future"

・きのう東京で開催したCellセミナーでは、Mercury Computer社のDirector、John Brickmanがcellのプログラム開発ツールの講演の中で、自分たちは非常にプラグマティックなアプローチを取り、コンパイラーが成熟するのを待つのではなく、意味があると思えば自分でそのツール群を開発する。アーキテクチャをプログラマーから隠そうとするよりは、アーキテクチャを明示したプログラミングの方が今の段階では性能を引き出せると強調していました。

はたしてCatherineが話すIBMのアプローチはどうなのでしょうか。

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2006年11月09日

● SC06 Coming Soon

・来週11日-17日のSC06が近づくにつれ、レジストレーションしたためでしょう。毎日のように出展者から自ブースへのお誘いeメールが届くようになってきました。

さっきまで届いた分をざっとリストにすると:

- Storage SolutionのDataDirect Networks社
- Cell BEプロセッサーのMercury Computer Systems
- Open MPIメンバー・ブースはiPod nano 8セットを抽選でプレゼント
- TeraGridとCray XT3のPittsburgh Supercomputing Center
- Data WarehouseのNetezzaも30GB iPodを抽選でプレゼント
- SGIはポータブルDVDプレーヤーの抽選会を毎日
- SUNはSun Grid GRIDATHONという実習セミナーを無料で提供(普段は有料?)
- サービスプロセッサのAvocentはプレステPSPを抽選でプレゼント
- グリッドのUnited Devices社
- マルチコア・デバッギングのEtnus社
- LSFで知られるPlatform Computing社
- MATLAB、PYTHON、MATHEMATICAでの並列プログラム開発ツールの
InteractiveSupercomputing社
- ネットワークのCisco社
- Fortranコンパイラーで知られているPortland Group社
となります。

わざわざメールしなくても自社のブースに来てくれるからでしょうか(?!)。IBMやHPからはeメールがまだです。

・SC06の開催にあわせて、新製品発表会やプレスリリースもこの時期盛んになります。

・例えば、国内ではこの6日にGRAPE-DRプロジェクトの主力部品である、1チップに512個の要素プロセッサーを搭載し、一個で512GFlopsの性能を持つプロセッサー・ボードのお披露目がありました
東京大学、世界最高速のスーパーコンピューターへの搭載を目的とした高速プロセッサーを開発

・記事によると、まだ熱々の同プロセッサー・ボードはSC06で展示されるそうです。

cheer_hpc at 21:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!SC06 

2006年11月05日

● Cell BEのセミナーがまもなくです

・以前にこのブログでも紹介した「Cellのプログラミング手法及び活用事例紹介」セミナーが今週金曜日と近づいてきました。
→ 紹介プログはこちら

・定員150人ですが、まだ少し空きはあるとのことでしたので参加される方は申し込みをお早めに。

日時 :平成18年11月10日(金)13:30〜17:30 (13:00より受付開始)
会場 :青山テピア(東京都港区北青山2丁目8番44号) 4Fテピアホール

2006年11月04日

● 活断層地震の究明をシミュレーションで

・ 秋晴れの連休はのんびり読書で、朝永振一郎の「科学者の自由な楽園」(岩波文庫)などを気分にまかせて拾い読みです。

・ 知的好奇心ということについてもいろいろ触れられていますが、今読んでもたいへんおもしろいです。
たとえば「情報過多の中での好奇心」のところでは、情報の洪水の中では、くだらない間食をすると食欲がなくなってしまうので本当の意味の知的好奇心は出てこないとか、「野次馬」―大勢のひとがやるから俺もやろうという態度と、研究者に必要な「知的好奇心」とを混同してはいけないなど、今の情報量とは比較にならない1972年当時、すでにそうした懸念があったことがわかります。

・個人的には、空気や水にたとえた父親の暗黙の影響を語ったところが印象に残ります。

・さて、つくばにある独立行政法人 産業技術総合研究所活断層研活断層研究センター(左写真)による地震のメカニズム解明と予測研究で、若手研究者がコンピュータ・シミュレーションに取り組んでいます。

・若手の研究者が一生懸命に研究に取り組んでいるのを拝見すると、いまホットな分野では(早稲田大の例や、ライフサイエンス分野なども含めて)俗にいわれる理科系ばなれは特に感じません。

・このインタビューのときは、私も立会いのために都内からつくばエクスプレスに乗ってしばらくぶりに訪れましたが、快速で45分でつくば駅に到着ですから便利になりました。

「活断層地震の究明をシミュレーションで」として、IBM HPCのサイトに掲載されましたのでお知らせします。

余談ですが、理科系好きというのは、蜂が蜜に集まるように、どう見ても幼児のときからの持って生まれた強い性質ではないかというのが、家族や友人を見て私が抱く感覚です。

cheer_hpc at 14:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!閑話休題