2006年12月
2006年12月29日
● 2006年のIBM HPC 5大ニュース
・ 2006年もあと二日たらず。IBM HPCメルマガ(eBlueRunner)に、「編集長の選んだ今年のIBM HPC 5大ニュース」というのを書きましたので、これを紹介して今年の終わり(たぶん)といたします。
[1位]:「IBMがTOP500スーパーコンピューター・リストで圧勝 」(11/15)
・ご存知の方も多いと思いますが、Blue Gene/Lが前回同様Top500の第1位、以下Top10のうち3位、4位、5位が、IBM Blue GeneとIBM System pでした。Top500全体ではIBMシステムが、237システムを占め、Top500総処理能力合計の49.6%に相当します。
・この翌週には、「DARPA Selects IBM for Supercomputing Grand Challenge」という発表がありました。このペタスケール規模のHPCSシステムにはPOWER7プロセッサーを使用する予定です。
[2位]:「次世代Opteron搭載のx86サーバーとブレード・サーバーを出荷」(8/30)
・ 低価格の高性能HPCサーバーが一段と充実していく時代の兆しに見えます。
[3位]:「IBM System p5サーバーラインナップ拡充」(2/15)
・ 現行システムはPOWER5+プロセッサー搭載ですが、POWER6、さらにPOWER7までが話題になり始めています。
[4位]:「IBM、世界初のCell BE搭載のスパコンの開発に着手」(9/12)
・ このblogでも何回かとりあげたロスアラモス国立研究所のRoadRunnerです。本格的なハイブリッド型クラスター・システムの構築にHW、SW両面から取り組みます。
[5位]:「システム全体で消費電力効率を追求する新技術“Cool Blue”」(8/2)
・ プロセッサーだけでなく、メモリー、ネットワークも大食漢になりつつあるということがわかってきました。メインフレームで定番だった液体冷却も効率のよさから見直されています。米国環境保護庁(EPA)ものりだしてきました。
こうしてみると、これから数年にわたるHPCの流れをうかがわせるニュースが沢山飛んできた2006年だったかもしれません。2007年もチャレンジしがいのある、活発な分野であり続けることを願っています。
[1位]:「IBMがTOP500スーパーコンピューター・リストで圧勝 」(11/15)
・ご存知の方も多いと思いますが、Blue Gene/Lが前回同様Top500の第1位、以下Top10のうち3位、4位、5位が、IBM Blue GeneとIBM System pでした。Top500全体ではIBMシステムが、237システムを占め、Top500総処理能力合計の49.6%に相当します。
・この翌週には、「DARPA Selects IBM for Supercomputing Grand Challenge」という発表がありました。このペタスケール規模のHPCSシステムにはPOWER7プロセッサーを使用する予定です。
[2位]:「次世代Opteron搭載のx86サーバーとブレード・サーバーを出荷」(8/30)
・ 低価格の高性能HPCサーバーが一段と充実していく時代の兆しに見えます。
[3位]:「IBM System p5サーバーラインナップ拡充」(2/15)
・ 現行システムはPOWER5+プロセッサー搭載ですが、POWER6、さらにPOWER7までが話題になり始めています。
[4位]:「IBM、世界初のCell BE搭載のスパコンの開発に着手」(9/12)
・ このblogでも何回かとりあげたロスアラモス国立研究所のRoadRunnerです。本格的なハイブリッド型クラスター・システムの構築にHW、SW両面から取り組みます。
[5位]:「システム全体で消費電力効率を追求する新技術“Cool Blue”」(8/2)
・ プロセッサーだけでなく、メモリー、ネットワークも大食漢になりつつあるということがわかってきました。メインフレームで定番だった液体冷却も効率のよさから見直されています。米国環境保護庁(EPA)ものりだしてきました。
こうしてみると、これから数年にわたるHPCの流れをうかがわせるニュースが沢山飛んできた2006年だったかもしれません。2007年もチャレンジしがいのある、活発な分野であり続けることを願っています。
2006年12月24日
● IBM SUR受賞の10大学へ研究用にCell BEを寄贈
・ IBMは全世界の大学を対象に、Shared University Research (SUR) とよぶ賞をもうけていて、受賞校には大学とIBM双方にとって価値と関心の高い研究を推進する目的で、毎回いろいろなコンピュータ機器を寄贈しています。受賞が難しい賞ですが、日本からも過去に数校が受賞しています。
・ 今年12月の発表では、学生や学部がCell Broadband Engine (Cell BE)を使ってイノベーションを盛んにすることができ、協力してスキルの拡大をはかることができるという趣旨にかなう全世界から推薦・選考された大学の中から10校が受賞しています。
・、IBMはCell BEのいろいろなアプリケーションへの応用について、これらの大学の持っているユニークなアイデアの成功に期待し、協力もすると話しています。
その受賞校ですが、
・アメリカからは、ジョージア工科大、カリフォルニア大サンディエゴ校、イリノイ大、ミネソタ大、バージニア大、ワシントン大
・ヨーロッパからは、バルセロナ・スーパーコンピュータ・センター、ダブリン・トリニティ・カレッジ
・アジアからは北京の清華大学、中東からUAE大学となっています。
・受賞校が提案したテーマも、HPC、ゲーム、プログラミング環境、リアルタイム3Dレンダリング、医用画像機器への応用、Virtual Reality、石油探査への応用と幅広い分野にわたっているので、1-2年後これらの中からどのような成果が国際会議などを通じて発表されてくるのか楽しみです。
・ 今年12月の発表では、学生や学部がCell Broadband Engine (Cell BE)を使ってイノベーションを盛んにすることができ、協力してスキルの拡大をはかることができるという趣旨にかなう全世界から推薦・選考された大学の中から10校が受賞しています。
・、IBMはCell BEのいろいろなアプリケーションへの応用について、これらの大学の持っているユニークなアイデアの成功に期待し、協力もすると話しています。
その受賞校ですが、
・アメリカからは、ジョージア工科大、カリフォルニア大サンディエゴ校、イリノイ大、ミネソタ大、バージニア大、ワシントン大
・ヨーロッパからは、バルセロナ・スーパーコンピュータ・センター、ダブリン・トリニティ・カレッジ
・アジアからは北京の清華大学、中東からUAE大学となっています。
・受賞校が提案したテーマも、HPC、ゲーム、プログラミング環境、リアルタイム3Dレンダリング、医用画像機器への応用、Virtual Reality、石油探査への応用と幅広い分野にわたっているので、1-2年後これらの中からどのような成果が国際会議などを通じて発表されてくるのか楽しみです。
2006年12月21日
● PSIシンポジウム2006
・ 昨日、九州大学、富士通株式会社が中心になって昨年度3年計画でスタートしたPSIプロジェクト―文部科学省の「次世代IT基盤構築のための研究開発」、 研究開発領域「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」で採択された研究開発課題「ペタスケール・システムインターコネクト技術の開発」を指します―の中間報告のためのシンポジウムに出席してきました。
・ このプロジェクトが焦点を当てている数千〜数十万規模の高速計算ノードを相互結合するシステムインターコネクト技術は、高度な性能を追求するだけでは不十分でコストや物量、低電力消費をも満足させる現実的な答えが求められています。
・ シンポジウムでは「光技術を用いた超高バンド幅スイッチング技術の開発」として低コスト超高バンド幅を目指したインターコネクト・スイッチ技術開発の説明と試作スイッチによるデモを見ることが出来ました。
・ またMPIでボトルネックになるコレクティブ通信を高速化するために、Blue Geneでも採用されているような、ネットワーク付加ハードウェアでリダクション演算を行うアプローチについての研究も紹介されました。これについては会場から、計算誤差の累積を懸念する質問が出ていました。
・ PSIでは、こうしたハードウェア面での研究開発以外に、MPI通信の動的最適化技術の開発や、ペタスケール・システムインターコネクトの性能評価環境についても精力的に研究開発していることがわかりました。
・ プロジェクトがスタートしてから2年も経っていない段階なのでまだ方向が見えてきたという段階でしょうが、面白い内容のシンポジウムでした。
・最後に、1時間ほど会費4,000円で懇親会が開かれましたが、若い参加者が多いせいか、あっという間に料理がなくなってしまいました。主催者の九大 村上教授曰く、東京と福岡の物価の違いがよくわかった。プロジェクト最後の来年のシンポジウムでは料理も十分用意します。
・ともあれ、招待講演者(全体総括)の筑波大 朴教授によると筑波大・日立製作所も共同研究をしているということですし、東大や日本電気などの研究開発プロジェクトもありますので、百花繚乱とまでは行かないかもしれませんが、これらの先進的な活動がどんどん国際的にも注目され、日本のHPC分野が幅広く活性化されていく流れへとつながっていってほしいところです。
・ このプロジェクトが焦点を当てている数千〜数十万規模の高速計算ノードを相互結合するシステムインターコネクト技術は、高度な性能を追求するだけでは不十分でコストや物量、低電力消費をも満足させる現実的な答えが求められています。
・ シンポジウムでは「光技術を用いた超高バンド幅スイッチング技術の開発」として低コスト超高バンド幅を目指したインターコネクト・スイッチ技術開発の説明と試作スイッチによるデモを見ることが出来ました。
・ またMPIでボトルネックになるコレクティブ通信を高速化するために、Blue Geneでも採用されているような、ネットワーク付加ハードウェアでリダクション演算を行うアプローチについての研究も紹介されました。これについては会場から、計算誤差の累積を懸念する質問が出ていました。
・ PSIでは、こうしたハードウェア面での研究開発以外に、MPI通信の動的最適化技術の開発や、ペタスケール・システムインターコネクトの性能評価環境についても精力的に研究開発していることがわかりました。
・ プロジェクトがスタートしてから2年も経っていない段階なのでまだ方向が見えてきたという段階でしょうが、面白い内容のシンポジウムでした。
・最後に、1時間ほど会費4,000円で懇親会が開かれましたが、若い参加者が多いせいか、あっという間に料理がなくなってしまいました。主催者の九大 村上教授曰く、東京と福岡の物価の違いがよくわかった。プロジェクト最後の来年のシンポジウムでは料理も十分用意します。
・ともあれ、招待講演者(全体総括)の筑波大 朴教授によると筑波大・日立製作所も共同研究をしているということですし、東大や日本電気などの研究開発プロジェクトもありますので、百花繚乱とまでは行かないかもしれませんが、これらの先進的な活動がどんどん国際的にも注目され、日本のHPC分野が幅広く活性化されていく流れへとつながっていってほしいところです。
2006年12月14日
● 週末の天城高原は雨でした
・ 標高800mの伊豆は天城高原にこもり、明るいうちはHPCの講義、日が暮れたら温泉で一風呂浴びて食事、そして夜10時過ぎまで議論を続けるという二泊三日のセミナーを週末にしてきました。
・ 中国から2人、アメリカから5人、日本から13人総勢20名の多士済々の方々が参加してくれました。 たまに海水パンツで温泉に入ろうとする海外からの参加者がいたりしますが、今回はそんなこともなく、一緒に温泉に入って和気あいあいになるなど予想以上によい雰囲気になりました。
・ そうなると日米(それにちょっぴり中国)からの参加者との会話から、それぞれのお国柄やHPCの取り組み方の実情を断片的とは言え、感じとることができます。
・ たとえば日本はHPCに大変真面目に取り組んでいますが、アプリケーションやソフトウェア・ツールが重要だという認識とそのための開発努力・投資については、総合的にバランスの取れた米国に比べるとやはり見劣りする面があります。
・ 一方、米国はSC06でも感じましたが、Weapon Scienceの研究という言葉を使い国立研究所がペタ・スケール規模のHPCシステム実現のために投資を続けています。またそうした目的意識の強い国立研究所は大学のスーパーコンピュータ・センターとは予算や活動方針について一線を画しています。 反面、産業界の競争力強化のためにHPCを役立たせるという意識は全体的に日本よりも低そうです。
・ 中国は国が広く農業や環境問題に関心があるせいか、気象予測がHPC分野で力が入っているように見うけられます。 IBMも中国のこの分野に進出しています。
・ 余談ですが、米国研究機関からの参加者に「What is Weapon Science?」と質問をしても、むにゃむにゃとあまり具体的には話してくれません (NIKE-3Dで代表される古くからのアプリケーション ― 爆発・衝撃解析、材料の経年変化予測や破壊解析等が含まれることは言うまでもないでしょうが)。
・ 日本はそのかわりと言うか、次世代スーパーコンピュータでも強く唄われているように、自動車、エレクトロニクス、化学、材料、ライフサイエンスなど産業界の様々な分野へもHPCを活用するということがコンセンサスとして明確になっていますし、やはりこの分野で顕著な成果を出すのが国際的にも日本が一段と評価される要素なのは間違いありません。 ただ、かなりの挑戦課題です。
・ 去年は朝起きると一面の雪景色で富士も真正面によく見えていましたが、今年はほとんど雨。 はっきりしない天候の中、天城高原を降りてきました。
・ 中国から2人、アメリカから5人、日本から13人総勢20名の多士済々の方々が参加してくれました。 たまに海水パンツで温泉に入ろうとする海外からの参加者がいたりしますが、今回はそんなこともなく、一緒に温泉に入って和気あいあいになるなど予想以上によい雰囲気になりました。
・ そうなると日米(それにちょっぴり中国)からの参加者との会話から、それぞれのお国柄やHPCの取り組み方の実情を断片的とは言え、感じとることができます。
・ たとえば日本はHPCに大変真面目に取り組んでいますが、アプリケーションやソフトウェア・ツールが重要だという認識とそのための開発努力・投資については、総合的にバランスの取れた米国に比べるとやはり見劣りする面があります。
・ 一方、米国はSC06でも感じましたが、Weapon Scienceの研究という言葉を使い国立研究所がペタ・スケール規模のHPCシステム実現のために投資を続けています。またそうした目的意識の強い国立研究所は大学のスーパーコンピュータ・センターとは予算や活動方針について一線を画しています。 反面、産業界の競争力強化のためにHPCを役立たせるという意識は全体的に日本よりも低そうです。
・ 中国は国が広く農業や環境問題に関心があるせいか、気象予測がHPC分野で力が入っているように見うけられます。 IBMも中国のこの分野に進出しています。
・ 余談ですが、米国研究機関からの参加者に「What is Weapon Science?」と質問をしても、むにゃむにゃとあまり具体的には話してくれません (NIKE-3Dで代表される古くからのアプリケーション ― 爆発・衝撃解析、材料の経年変化予測や破壊解析等が含まれることは言うまでもないでしょうが)。
・ 日本はそのかわりと言うか、次世代スーパーコンピュータでも強く唄われているように、自動車、エレクトロニクス、化学、材料、ライフサイエンスなど産業界の様々な分野へもHPCを活用するということがコンセンサスとして明確になっていますし、やはりこの分野で顕著な成果を出すのが国際的にも日本が一段と評価される要素なのは間違いありません。 ただ、かなりの挑戦課題です。
・ 去年は朝起きると一面の雪景色で富士も真正面によく見えていましたが、今年はほとんど雨。 はっきりしない天候の中、天城高原を降りてきました。
2006年12月10日
● スーパーコンピューティング技術産業応用シンポジウム (12/15)
・スーパーコンピューティング技術産業応用協議会主催の「スーパーコンピューティング技術産業応用シンポジウム」が12月15日(金) 13:00から、東京大学生産技術研究所 An棟2階コンベンションホールで開催されます。
・工学院大学 情報学部長 小柳 義夫教授による記念講演「スーパーコンピュータと計算科学技術」や、
・産学パネリスト5名によるパネル討論「スーパーコンピューティング技術に産業界が求めるもの」などのセッションがあります。
「協議会の会員のみならず、ご興味をお持ちの方々はどなたでも自由に参加出来ます。多くの方々にご参加いただきますようご案内申し上げます。」とのことです。
・工学院大学 情報学部長 小柳 義夫教授による記念講演「スーパーコンピュータと計算科学技術」や、
・産学パネリスト5名によるパネル討論「スーパーコンピューティング技術に産業界が求めるもの」などのセッションがあります。
「協議会の会員のみならず、ご興味をお持ちの方々はどなたでも自由に参加出来ます。多くの方々にご参加いただきますようご案内申し上げます。」とのことです。
2006年12月04日
● RoadRunnerとハイブリッド・プログラミング・モデル
●SC06でのLANL RoadRunner講演
・SC06のIBMシアターで、Los Alamos National Laboratory(LANL)のケン・コックによるRoadRunnerの講演を聞けたので、こちらも遅ればせながらそのあらましを紹介します。細かな諸元については聞き間違いもあるかもしれませんので、そのときは悪しからず。
・LANLではCell BEをアクセルレータに使うことで2007年に100GFLOPS程度を達成(いわばひよこのRoadRunner)、その後段階的にRoadRunnerを増強し2008年に1PetaFLOPSの持続性能を達成する計画です。RoadRunnerシステムは、8,640個のdual core Opteronで76テラFLOPSの性能、アクセルレータ部分は16,560個のCell BEで1.6PetaFLOPSピーク性能を予定しているクラスター・システムです。Opteron 1プロセッサー・コアにCell BE 1プロセッサーが対応する勘定です。
・IBM x3755サーバー1台(8プロセッサー・コア)にアクセルレータのCell BEブレードサーバー4台(8 Cell BEプロセサー)がInfiniBand(IB)で接続され、1ラックに6台のx3755と2台のブレードセンター(ブレードセンターの14スロットに12ブレード装着)を実装します。
細かいことですが、現行のCell BEブレードサーバー QS20は厚みがダブル幅のため7ブレードしか装着できず勘定があいません。彼が間違っているか厚みがシングル幅になるのか?
・Cell BEは倍精度演算スピードを大幅に改善した後継プロセッサ(eDP)を使用しますとのことです。
・このことは同じIBM シアターで、Cell BEのチーフサイエンティストのピーター・ホフスティがCell BEの2010頃までのロードマップ(開発計画)でも話していました。
SC06のような大イベントでは各メーカーや研究機関で開発に携わっている第一人者が、気軽にというよりもむしろ積極的にアッピールするよう話す雰囲気があります。あくまでプロジェクトや製品の計画段階についての許される範囲の紹介ですがユーザーに取ってはホットな情報源です。公式な製品発表ではないので、実際の性能や時期がどうかについては、当然ですが、そのメーカーの信頼感とかいろいろな面での判断がもちろん必要!!。
・クラスター間のインターコネクションにはInfiniBand(IB)を採用します。従来自社開発のスイッチを使用していたIBMシステムとしては新しい方向が取られています。
・このとき、クラスター全体を15個のクラスター・コネクション・ユニット(CU)に分割し、CU間もIBでインターコネクトする2ステージ構造です(逆算すると1 CUは144個のx3755ノードで構成)。
・ケン・コックの説明によると、電力はx3755が約1KW/台、Cellのブレードセンターが約5KW/台、1ラックでは約16KWです。総ラック数は360ラックなので電力使用はラック合計で約5,760KWになります。地球シミュレータ(ピーク性能40TFLOPS)の電力はノード部分で約4,000KW、結合ネットワーク等を入れて約7,000KWと言われているのでRoadRunner(ピーク性能1,600TFLOPS)の電力は地球シミュレータ・クラスの大きなものになります。
・占有面積は、360ラック(地球シミュレータは770ラックなのでそのほぼ半分)なので257平方メートル、もし間に1ラック列ずつ空間を空けた場合には20mx25mを占める計算になります。
●SC06でのIBMのハイブリッド・プログラミング・モデル講演
・IBMではRoadRunnerで実行すべきアプリケーションのプログラミング労力をプログラマーから大幅に軽減するためにハイブリッド・プログラミング開発環境を構築し始めています。背景にはRoadRunnerのようなハイブリッド・クラスター・システムのプログラムを書けるプログラマーは探すのも大変だし、報酬もかなり高くなるという事情があります。
・SC06のIBMシアターでのキャサリン・クロフォード(IBMの次世代システム・ソフトウェア チーフアーキテクト)の講演によると、Cell BEのようなアクセルレータに対応した"ヘテロジニアスでマルチコアのメモリー・ハイエラーキ・システム"へのプログラミング・モデルが必要だとしています。IBMではそのための開発環境として、Cellの8個のSPU(Synergistics Processing Unit)のデータのDMA移動や効率よいダブルバッファリングなどを行うための、ハードウェア・プラットフォームに直結したData and Communication Synchronization Library (DaCS)や、Cell BEのプロセス管理、効率よいscatter/gather処理のためのデータ分割やリスト生成、リモート・エラー・ハンドリング処理などのためのAccelerator Library Framework(ALF)と呼ぶフレームワーク作りに着手しています。
・プログラマーから見るとCell BE特有のアーキテクチャ、すなわち8個のSPUを使うためのややこしい命令の記述部分をALFが肩代わりしてくれることになり、だいぶ負担が減ります。こうしてアプリケーション・プログラムは通常のクラスターシステム用にMPIで記述したものに、CellのSPUを計算カーネル演算に使うための最適化済みAcceleration libraryのコールを加えただけのもの(!?)になります。
先に紹介したセミナーで聞いたマーキュリーコンピュータシステムズ社のアプローチの方は、IBMのようにハイブリッド・プログラミングのフレームワークをじっくり作っていくというよりは、ツール・ライブラリを必要に応じてタイムリーに拡充させていくという色彩が強く感じられました。当面はニーズやそれぞれの成熟度にあわせて両方の動向を見ながらうまく利用していくことが必要に見えます。
さて基本となるCell BEの開発キットSDKですが、
・現在バージョン1.1の状態です。Cell BEのIBM チーフ・アーキテクトのピーター・ホフスティがIBMシアターでの講演で説明した内容によると、2007年にはSDK3.0になります。だれかがFortranのサポートについて質問していましたがニーズが限られているので可能性は低いということでした。もっともLANLなど一部からはFortranへの強い要望があるそうです。
このサイトの掲載内容は個人の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません。
・SC06のIBMシアターで、Los Alamos National Laboratory(LANL)のケン・コックによるRoadRunnerの講演を聞けたので、こちらも遅ればせながらそのあらましを紹介します。細かな諸元については聞き間違いもあるかもしれませんので、そのときは悪しからず。
・LANLではCell BEをアクセルレータに使うことで2007年に100GFLOPS程度を達成(いわばひよこのRoadRunner)、その後段階的にRoadRunnerを増強し2008年に1PetaFLOPSの持続性能を達成する計画です。RoadRunnerシステムは、8,640個のdual core Opteronで76テラFLOPSの性能、アクセルレータ部分は16,560個のCell BEで1.6PetaFLOPSピーク性能を予定しているクラスター・システムです。Opteron 1プロセッサー・コアにCell BE 1プロセッサーが対応する勘定です。
・IBM x3755サーバー1台(8プロセッサー・コア)にアクセルレータのCell BEブレードサーバー4台(8 Cell BEプロセサー)がInfiniBand(IB)で接続され、1ラックに6台のx3755と2台のブレードセンター(ブレードセンターの14スロットに12ブレード装着)を実装します。
細かいことですが、現行のCell BEブレードサーバー QS20は厚みがダブル幅のため7ブレードしか装着できず勘定があいません。彼が間違っているか厚みがシングル幅になるのか?
・Cell BEは倍精度演算スピードを大幅に改善した後継プロセッサ(eDP)を使用しますとのことです。
・このことは同じIBM シアターで、Cell BEのチーフサイエンティストのピーター・ホフスティがCell BEの2010頃までのロードマップ(開発計画)でも話していました。
SC06のような大イベントでは各メーカーや研究機関で開発に携わっている第一人者が、気軽にというよりもむしろ積極的にアッピールするよう話す雰囲気があります。あくまでプロジェクトや製品の計画段階についての許される範囲の紹介ですがユーザーに取ってはホットな情報源です。公式な製品発表ではないので、実際の性能や時期がどうかについては、当然ですが、そのメーカーの信頼感とかいろいろな面での判断がもちろん必要!!。
・クラスター間のインターコネクションにはInfiniBand(IB)を採用します。従来自社開発のスイッチを使用していたIBMシステムとしては新しい方向が取られています。
・このとき、クラスター全体を15個のクラスター・コネクション・ユニット(CU)に分割し、CU間もIBでインターコネクトする2ステージ構造です(逆算すると1 CUは144個のx3755ノードで構成)。
・ケン・コックの説明によると、電力はx3755が約1KW/台、Cellのブレードセンターが約5KW/台、1ラックでは約16KWです。総ラック数は360ラックなので電力使用はラック合計で約5,760KWになります。地球シミュレータ(ピーク性能40TFLOPS)の電力はノード部分で約4,000KW、結合ネットワーク等を入れて約7,000KWと言われているのでRoadRunner(ピーク性能1,600TFLOPS)の電力は地球シミュレータ・クラスの大きなものになります。
・占有面積は、360ラック(地球シミュレータは770ラックなのでそのほぼ半分)なので257平方メートル、もし間に1ラック列ずつ空間を空けた場合には20mx25mを占める計算になります。
●SC06でのIBMのハイブリッド・プログラミング・モデル講演
・IBMではRoadRunnerで実行すべきアプリケーションのプログラミング労力をプログラマーから大幅に軽減するためにハイブリッド・プログラミング開発環境を構築し始めています。背景にはRoadRunnerのようなハイブリッド・クラスター・システムのプログラムを書けるプログラマーは探すのも大変だし、報酬もかなり高くなるという事情があります。
・SC06のIBMシアターでのキャサリン・クロフォード(IBMの次世代システム・ソフトウェア チーフアーキテクト)の講演によると、Cell BEのようなアクセルレータに対応した"ヘテロジニアスでマルチコアのメモリー・ハイエラーキ・システム"へのプログラミング・モデルが必要だとしています。IBMではそのための開発環境として、Cellの8個のSPU(Synergistics Processing Unit)のデータのDMA移動や効率よいダブルバッファリングなどを行うための、ハードウェア・プラットフォームに直結したData and Communication Synchronization Library (DaCS)や、Cell BEのプロセス管理、効率よいscatter/gather処理のためのデータ分割やリスト生成、リモート・エラー・ハンドリング処理などのためのAccelerator Library Framework(ALF)と呼ぶフレームワーク作りに着手しています。
・プログラマーから見るとCell BE特有のアーキテクチャ、すなわち8個のSPUを使うためのややこしい命令の記述部分をALFが肩代わりしてくれることになり、だいぶ負担が減ります。こうしてアプリケーション・プログラムは通常のクラスターシステム用にMPIで記述したものに、CellのSPUを計算カーネル演算に使うための最適化済みAcceleration libraryのコールを加えただけのもの(!?)になります。
先に紹介したセミナーで聞いたマーキュリーコンピュータシステムズ社のアプローチの方は、IBMのようにハイブリッド・プログラミングのフレームワークをじっくり作っていくというよりは、ツール・ライブラリを必要に応じてタイムリーに拡充させていくという色彩が強く感じられました。当面はニーズやそれぞれの成熟度にあわせて両方の動向を見ながらうまく利用していくことが必要に見えます。
さて基本となるCell BEの開発キットSDKですが、
・現在バージョン1.1の状態です。Cell BEのIBM チーフ・アーキテクトのピーター・ホフスティがIBMシアターでの講演で説明した内容によると、2007年にはSDK3.0になります。だれかがFortranのサポートについて質問していましたがニーズが限られているので可能性は低いということでした。もっともLANLなど一部からはFortranへの強い要望があるそうです。
このサイトの掲載内容は個人の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません。

