2007年07月

2007年07月30日

Cell/B.E.のソフトウェア/アプリケーション・ワークショップ

Cell Broadband Engine(Cell/B.E.)のソフトウェア/アプリケーション・ワークショップというのが6月にあったんですね。タイトルはちょっと長いですが 「Georgia Tech, Sony/Toshiba/IBM Workshop on Software and Applications for the Cell/B.E. processor」です。

・Sony、Toshiba、IBM がスポンサーでアトランタのジョージア工科大で開催されています。内容はScientific Computingが中心ですが、少しだけGaming and Entertainmentの発表もされています。

・ほとんどの発表についてpdfがダウンロードできます。その一つに、ゲノム配列解析プログラムHMMerをCell/B.E.にポーティングしたHMMer-Cellについて並列化戦略や性能評価をおこなった論文があります。

・Cell/B.E.にはIBM BladeCenter QS21 1台が搭載する合計16個のSPEを使い、Intel Xeon Dual core 、Intel Woodcrest 2ソケット Dual core、AMD Opteron 2ソケット Dual coreと性能比較しています。(QS21は正式発表も出荷もされていないので、テスト用のを使ったのかもしれません)

結果は歴然で、QS21の方がIntel Xeon Dual core の32.7倍、Intel Woodcrest 2ソケットDual coreの11.5倍、AMD Opteron 2ソケット Dual coreの12.5倍速いという結果が示されています。

Cell/B.E.という今までと大きく違うアーキテクチャを持ったプロセッサーに対して、こうしたまとまった成果がジョージア工科大など米国のあちらこちらから出てくるということが、つまりは米国のソフトウェアの伝統であり優位性の源なのでしょうね。



2007年07月29日

ペタスケール・コンピューティングへの期待

・基調講演が、理化学研究所が開発を担当している10ペタFLOPS級の次世代スーパーコンピュータ開発についてという研究会が案内されています。

・今回のテーマは「ペタスケール・コンピューティングへの期待」とのことですが、私も過去何回か出席させていただいたNEC・HPC研究会がそれです。今回は第24回ということですから、ずいぶん長期にわたって続いている研究会です。

・開催日時は8月7日(火)13:30-19:30で、会場はNEC本社ビル地下1階(東京都港区芝 5-7-1)です。

・詳細案内は http://www.nec.co.jp/semi/hpc08072007/ に掲載されています。


2007年07月28日

小柳先生ISC'07レポート(但し、まだ未完)

・まだ未完ですが、この6月にTop500を発表したドレスデンのISC'07の小柳先生報告を先生のWeb siteに貼ってくれています。
URLは http://olab.is.s.u-tokyo.ac.jp/~oyanagi/reports/ISC2007.html  です。

・途中でプッツリ切れているのはまだ中途までの内容という理由からで、少しびっくりするかもしれません。

・未完とは言え、十分に会議の雰囲気や内容が伝わってきます。Burton Smithの講演の部分は特に面白いですね。

・いつもどおりとは言えだれにでもできることではありませんので完成版も早く読みたいところですが、これはちょっと欲張りすぎかも。

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2007年07月27日

日本IBMが創立70周年で70%割引キャンペーン

・なんと70年も経ったんですね。わたしが入社したころは、ちょうど日本の高度成長期でその年に入社した社員数がたしか1,600人くらい、その翌年は2,000人近かったと思います。

・その70周年にこだわって、いまIBMブレード・サーバーを3台以上セット購入すると、BladeCenterシャシーが70%もの割引、中身のブレード・サーバーやメモリー、ネットワーク・スイッチは30%割引という大盤振る舞いを始めています。

・IBMのブレード・サーバーはこの7月18日に大幅な値下げをしたばかりですから、ダブルで実質価格を下げていることになります。

・個人的には、数台以上のx86系ラック型サーバーでHPCクラスター・システムを組むのならネットワーク機器やケープルが内蔵されて省スペースでスッキリ設置できるIBMブレード・サーバーのほうが魅力的だと思っています(IBM以外のブレード・サーバーについては知りませんので)。ただ、200V電源が必要だとか価格が高く設定されているとかで、まだまだ二の足を踏んでいる場合も多いと聞いています。

110V電源のIBMブレード・サーバー・システムについてはプレビューという形ですが米国IBMがすでにIBM BladeCenter Sを発表していますし、ちょっと計算してみるとわかりますがキャンペーン下の実質価格だとIBMのラック型サーバーに比べて特別に高いということはないようです。

さてIBMは、IBMブレード・サーバー4年連続国内シェアNo.1という面目にかけてもブレード・サーバー普及に取り組むでしょうから、それにつれ省エネも図れていくというものです。

柏崎刈羽原発が停止しているここ1年以上は東電の電力供給が限定されることもあり、社会全体への影響を考えるとブレード化というのは実はけっこう現実的な価値をもたらすと私は考えています。


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2007年07月19日

●原子力発電プラントとHPC

原子力発電プラント設計開発とHPCとは1980年代までは車の両輪のように、前者がニーズを作り後者がそれに答えるという形で共に発展して来ました。その後、スリーマイルアイランド(TMI)原子力発電所の炉心溶融事故を発端に米国がしだいに原子力発電から撤収して、今では新規の原子力発電所の建設は日本でもまれになってしまいました。

・ところがフランスは電力の80%を原子力発電から供給しているように、それほどは不活発でなさそうで、IBMも原子力産業へのコンサルティングやITシステム設計に長年の経験を蓄積してきたようです。

・日本と設置場所誘致で激しく争って勝った国際核融合プロジェクトITER(International Thermo Nuclear Experimental Reactor) も、たぶんそうした原子力開発戦略の上に立ってカダラッシェへの誘致に競り勝ったのだと思いますが、こんどIBMが「原子力発電のための国際拠点センター(Global Center of Excellence for Nuclear Power)」をカダラッシェのそばでニースに近いラ・ゴードに設立しています。そこではHPCについても研究所と協力して行います。

・さて月曜の中越沖の地震で、東電の柏崎刈羽原子力発電所の大小さまざまな課題について新聞、TVを通して報道されていますが、これも蕁麻疹程度のものからもしかして重病になるかもしれない活断層上の原発の安全性と色々です。

・もともと地震と原子炉構造物の耐震設計とか、地盤を含めた震源地から原子炉建屋への地震波伝播の解析などはHPCの対象分野だったところですから、難しい活断層についてもHPCをふんだんに利用した設計手法をあらたに開発していってほしいところです。

・現在稼働中の原子力発電所が設計された頃とはくらべものにならないほどバワフルなHPC環境をいま活用し、設計だけでなく再処理や廃棄物処理すべてにわたって安全性実現の画期的な方法をあみだすために、フランスだけでなく日本でもふたたび原子力分野にHPCの出番がやってくるといいですね。

新聞等では柏崎刈羽原子力発電所で地震によりトラブルが50件も見つかったというように、数を強調した記事がいまは目につきます。それとは別に、原子力発電所の設計者や安全性の専門家は、設計時の最大想定マグニチュード(直下でM6.5)を超えたと言われる大型地震(M6.8)での原子力発電プラントの今回の挙動についてどう評価しているでしょうか。技術的には興味深いです。

cheer_hpc at 00:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!閑話休題  | ニュース

2007年07月18日

●Excel 2007 高速化ソリューションのデモ

Top500の193位に三菱UFJ証券のIBMブレード・サーバー(448ノード)が現れたのを見ると、いよいよ金融分野にもHPCが本格的に必要になって来たかと実感させられますが、この分野のキラー・ソフトウェアというとExcelが筆頭にくるのではないでしょうか(わたしの専門外なので間違っているかも?)。

・まあそれが正しいとすると、並列計算によるExcelの高速化を実現することがまず重要ですが、百聞は一見にしかずということで、日本IBMのエンジニアがその並列化に取り組んでIBMブレード・サーバー上でデモを予定しています。

・会場は、マイクロソフト ビジネスフォーラム2007のIT基盤強化ゾーンのIBMブースです。テーマは「Windows Compute Cluster Server との連携によるExcel 2007 高速化ソリューションと、ブレード・サーバー・ソリューション」です。

梅雨やら何やらですっきりしない季節が続いているせいか、うん十年ぶりに蕁麻疹などというものになってしまいました。たまにこういう意表を突かれることが起こると新鮮な刺激になって、ふだん見落としていたことがわかったり、新しい行動のきっかけになったりするので必ずしも悪いことだけではありません。
さて蕁麻疹のほうは抗ヒスタミン剤を処方していただいたせいか4日ほどでほとんど消えてしまいました。天才Y先生にその話をしたところ、即座に「それは100%薬害ですよ」とのご託宣。なるほど。