2008年02月

2008年02月24日

● TACCのRangerがフル稼働、NSFに納入

・稼働が当初の予定よりも遅れていたテキサス大学オースティン校Texas Advanced Computing Center (TACC)のRangerシステムが2月4日にフル稼働に入り、2月22日(金)にNSFに納入されるとTACCが2月22日(金)に発表しています。

理論ピーク性能は当初の仕様どうりの504 TFLOPSです。最新のTop500スーパーコンピューター・リストのピーク性能だけから言えば、LLNLのBlue Gene/Lに次ぐ2位に該当しますが、internetnews.comの記事PlayStation3ユーザーが集まって作られているFolding@Homeをいれたとすれば第3位と面白い表現をしています。

・記事では約15,000 CPU(正確には62,976 コア)を1タスクが占有するというよりは、ユーザーがプログラムを書き換えてより高い性能を引き出せるようになるまでは高々1,000 CPU程度を使うタスクが複数個走ることになると、当たり前とはいえ、書き換えをするというペタスケールへ向けての着実なスタンスが見受けられます。

・このシステム開発と4年間の運用コストについては$59M (約64億円)のNSFのアワード(NSF Track2 HPC)でまかなわれ、NSFのTeraGridの最大ノードになります。

・そのためか、90%のマシンタイムはTeraGridのユーザーによって使用され、TACCは10%のみです。TACCの分が少なさそうに見えますが、先のinternetnews.comの記事ではRangerを使用するためのウェイティング・リストは3ヶ月になるだろうと言っているので、むしろ好条件なのでしょう。

cheer_hpc at 18:51|Permalinkclip!ニュース  | 一般

2008年02月13日

● Cell/B.E. 実践活用セミナー 3月11日開催

Cell/B.E. 実践活用セミナーが3月11日(火)午後に日本IBMの箱崎事業所で開催されます。

・詳しくは、「Cell/B.E. 実践活用セミナー」案内ページにありますが、日本IBM、アルゴグラフィックス、フィックスターズに加えて米国のTerra Soft Solutionsの4社による講演があります。

・いずれもCell Broadband Engine (Cell/B.E.)の分野で積極的に活動を続けている4人の講師によるセミナーなので、その内容は期待できます。

・SC07での縁もあることから私もTerra Soft SolutionsのCEO カイ・スターツさんを講師にお願いしたりしたのですが、忙しいスケジュールをぬって快く来日してくれることになり、ほっとひと安心。

ということなどもあって、我田引水になりますがセミナーの内容は期待できます!

Cell/B.E.というと、毎年2月にサンフランシスコで開かれる半導体回路国際会議ISSCCで最新テクノロジーの発表をするものという記憶がありますが、今年もやってくれました。

・PCWatchの「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」
 ISSCCに次世代Cell B.E. 45nm版が登場
 〜6GHz動作、電力を30%以上削減


で、IBM発表の内容について実に詳細でわかりやすく紹介されています。


cheer_hpc at 22:52|Permalinkclip!イベント・セミナー  | 一般

2008年02月11日

● 脳の研究とHPC

・ 日本の脳科学研究は世界のトップを走っていると聞いたことはあるものの、専門家でもない私にとって、脳科学はまったく未知の分野です。

・とはいえ、脳については養老孟司著の「脳の見方」(ちくま文庫1997.11.20 第11版、養老孟司著、筑摩書房 (1986.10.20))と「からだの見方」(ちくま文庫 1995.7.5 第3版、養老孟司著、筑摩書房 (1988.7))を読んで鮮烈な印象を受けた記憶があります。( )内は最初の発行日(文庫以外)です。ところで養老先生の書かれたものは今のベストセラーよりもこの頃の方が私にはずっと面白く感じられます。たとえば視覚系についての考えはその最たるものですが、著者は異なるものの、ほぼ20年後に書かれた「進化しすぎた脳」でも、どこか共通した考えが感じられるのは私の脳がそう解釈したいからなのでしょうか。

・ 「進化しすぎた脳」(ブルーバックス B-1538 2007.11.8 第9版、池谷裕二著、講談社)はこの連休にたまたま駅前の三省堂書店で買って読みました。専門家でない私には情報量がやや多く、すべて消化しきれたわけではないですが、2003年頃のアメリカ留学中にニューヨークの日本人高校生8人を相手にした脳科学講義ということもあってでしょうか、知的活気にあふれた第一章から四章までの講義と高校生との質疑応答がなかなかいい雰囲気です。やはり異環境で挑んだ30代前半の試みというのはとびっきりの勢いを持っています。

・「進化しすぎた脳」から思ったのは、脳の物理モデル・シミュレーションにそろそろ力を入れていい時期になってきたのではないかということです。たぶん脳科学の専門家ほど脳はコンピューター・シミュレーションには複雑過ぎると思われているでしょうから、ブレークするためには最初から異分野の専門家との協力が必要かも知れません。

・ スイスのBlue Brain Projectでは、Blue Geneの巨大なコンピュータ・パワーを前提に、実際の神経細胞をもとにしたNeocortical column(NCC)(大脳新皮質カラム)のシミュレーションに挑戦し、昨年11月に第1フェーズを完了しています。

・ 最先端を走っていると言われている日本の脳科学研究がベースにあれば、こうした先端的なシミュレーション分野でも日本ならではの優れた研究成果がでる可能性は高いと個人的には思っています。

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2008年02月03日

● 4.2GHzのPOWER6搭載エントリーUNIXサ―バー登場

IBMは昨年
4.7GHz POWER6搭載の中型UNIXサーバー IBM System p 570 (最大16プロセッサー・コア)、そして
4.0GHz POWER6搭載のブレード・サーバー IBM BladeCenter JS22 (4プロセッサー・コア) を発表しています。
それに続いて先週、
4.2GHz POWER6搭載エントリーUNIXサ―バー IBM System p520 (最大4プロセッサー・コア)とp550 (最大8プロセッサー・コア)を発表しました。

・IBM System pのベンチマーク・データも更新されていました。IBMのWebサイトには類似のベンチマーク性能情報があちこちにあるものの、目当てのものになかなかたどりつけないきらいがあるのですが、ここのpdfにはp520とp550のSPEC2006LINPACK HPCの性能が黄色でマーキングされて載っています。

日立製作所も同じ日に、POWER6プロセッサーを搭載したエントリーモデル「EP8000 550」、「EP8000 520」を新たにラインアップに追加という発表をしています。

・そういえば、T2K仕様で日立製作所が東京大学に納入する1万5232プロセッサー・コア構成のLinuxクラスター・システムについて開発責任者 深川部長のたいへん興味深いインタビュー記事がITproに載っています。予想どうりとはいえ、熱設計、信頼性確保、3,800個を越えるクアッドコアOpteronプロセッサーの調達の三点が難関だったそうです。


このようすだと1月にフル・プロダクションを予定していた、AMDの先客でもあるテキサス Rangerも15,744個のクアッドコアOpteronプロセッサーを調達できたことでしょう。
予定通りに進捗が進んでいればそろそろTACCから何かRangerについての発表があってもよいころですが。


cheer_hpc at 21:27|Permalinkclip!一般  | ニュース