2008年04月
2008年04月27日
●CO2排出量削減の足を引っ張るHPCコンピューティングセンター?
・「伊藤洋一のビジネス・トレンド」というPodcastを毎週電車の中で聞いていますが、第134回 (4/21/'08)で面白い解説をしていました。
・伊藤洋一さんによると、例えばITで紙を減らせると言ったようにITは環境問題を助けてくれるというイメージを抱いていたが、実はものすごく電力食いで、CO2排出量に影響を与えるものである。
・現在国内電力消費の増加は工場ではなく、家庭、Office、店舗で起こっていて、PC、サーバー、ネットワーク機器といったITによる電力消費量によるものである。2006年に国内電力消費量の5%を占め(CO2排出換算で2800万トン。乗用車800万台相当とか)、これが2025年にはITの電力消費は全電力消費の20%になる。つまり2006年に約500億KW、2025年には約2,000億KWというのがITによる電力消費量。
・京都議定書では日本は2008年-2012年の5年間の平均で基準年の1990年の6%のCO2排出の削減が目標になっているので、ITの電力消費増加によっては京都議定書の目標すら達成できなくなるというような解説でした。これからはいろいろな場でITの電力消費の課題が取り上げられていきそうな雲行きです。
・電力消費の点から優れているのはPCならノートPC、サーバーでは旧製品よりは低電力消費を積極的に設計に取り入れている新製品ですが、これからはネットワーク機器やストレージはもとより、コンピューター・センター全体についても乾いたゾーキンを絞るように工場並みに緻密で徹底したエネルギー管理が要求されていくことになるのではないでしょうか。
・こうした社会ニーズに対応して、4月23日に米国IBMが発表したインターネット-スケール・データ・センター向けの新システム IBM System x iDataPlexはサーバーからデータ・センターまでの課題に対する解の一つと言えるでしょう。
・iDataPlexについての詳しい仕様などはこれから発表されていくと思われますが、電力大食いのWeb 2.0向けデータセンター市場とHPCのコンピューター・センター市場の二つをターゲットにしているようです。どちらもこれからのクラウド・コンピューティングに密接に関係しているところです。
・iDataPlexの特徴を見ると、1Uサーバーと比較して最大40%の電力を節約でき(計算上)、ラックの水冷リアドア熱交換機(IBM Rear Door Heat eXchanger)を使うと空調による冷却不要、床面積当たり最大5倍の計算能力を詰め込むことができる等とあります。iDataPlexは受注生産によるソリューションで、受注内容毎に工場でまとめ上げられ、プラグをさせば働く状態で出荷されるようです。HPCのコンピューター・センター市場でのiDataPlexについては英文ブローシャで紹介されています。
個人的には、ついせんだってわが家のCO2排出量を大きく減らしました。家庭の都合で二台必要としていたハイオク・ガソリン車を、その必要性が薄くなったこともあってエイヤッとトヨタ プリウス1台に統合。長年のドイツ車ユーザーからの転向でしたが、試しに乗ってみたら違和感をさほど感じなかったのが最大の理由。一週間経ってもまだ燃料計がフル・スケールのままというのはなんと言ってもよい気分です。
・伊藤洋一さんによると、例えばITで紙を減らせると言ったようにITは環境問題を助けてくれるというイメージを抱いていたが、実はものすごく電力食いで、CO2排出量に影響を与えるものである。
・現在国内電力消費の増加は工場ではなく、家庭、Office、店舗で起こっていて、PC、サーバー、ネットワーク機器といったITによる電力消費量によるものである。2006年に国内電力消費量の5%を占め(CO2排出換算で2800万トン。乗用車800万台相当とか)、これが2025年にはITの電力消費は全電力消費の20%になる。つまり2006年に約500億KW、2025年には約2,000億KWというのがITによる電力消費量。
・京都議定書では日本は2008年-2012年の5年間の平均で基準年の1990年の6%のCO2排出の削減が目標になっているので、ITの電力消費増加によっては京都議定書の目標すら達成できなくなるというような解説でした。これからはいろいろな場でITの電力消費の課題が取り上げられていきそうな雲行きです。
・電力消費の点から優れているのはPCならノートPC、サーバーでは旧製品よりは低電力消費を積極的に設計に取り入れている新製品ですが、これからはネットワーク機器やストレージはもとより、コンピューター・センター全体についても乾いたゾーキンを絞るように工場並みに緻密で徹底したエネルギー管理が要求されていくことになるのではないでしょうか。
・こうした社会ニーズに対応して、4月23日に米国IBMが発表したインターネット-スケール・データ・センター向けの新システム IBM System x iDataPlexはサーバーからデータ・センターまでの課題に対する解の一つと言えるでしょう。
・iDataPlexについての詳しい仕様などはこれから発表されていくと思われますが、電力大食いのWeb 2.0向けデータセンター市場とHPCのコンピューター・センター市場の二つをターゲットにしているようです。どちらもこれからのクラウド・コンピューティングに密接に関係しているところです。
・iDataPlexの特徴を見ると、1Uサーバーと比較して最大40%の電力を節約でき(計算上)、ラックの水冷リアドア熱交換機(IBM Rear Door Heat eXchanger)を使うと空調による冷却不要、床面積当たり最大5倍の計算能力を詰め込むことができる等とあります。iDataPlexは受注生産によるソリューションで、受注内容毎に工場でまとめ上げられ、プラグをさせば働く状態で出荷されるようです。HPCのコンピューター・センター市場でのiDataPlexについては英文ブローシャで紹介されています。
個人的には、ついせんだってわが家のCO2排出量を大きく減らしました。家庭の都合で二台必要としていたハイオク・ガソリン車を、その必要性が薄くなったこともあってエイヤッとトヨタ プリウス1台に統合。長年のドイツ車ユーザーからの転向でしたが、試しに乗ってみたら違和感をさほど感じなかったのが最大の理由。一週間経ってもまだ燃料計がフル・スケールのままというのはなんと言ってもよい気分です。
2008年04月22日
● Cellスピードチャレンジ 2008の審査結果
・Cellスピードチャレンジ実行委員会から、Cellスピードチャレンジ 2008の審査結果がホームページで公開されています。
・このコンテストは規定課題部門(課題が「連立一次方程式の求解」)と、自由課題部門とに分かれていて、規定課題は学生のみの参加ですが、自由課題の方は学生以外も参加できるとしています。
・それぞれ上位3チームが入賞していますが、東京工業大学小長谷研究室が規定課題で第1位、自由課題で第2位と、完全優勝は逸したもののすばらしい成績です。
・3月に小長谷先生と、さる会合で雑談をしていたときにCell/B.E.のLINPACK性能はすごいとしきりに強調されていましたが、このことだったようです。
・規定の「連立一次方程式の求解」の得点は、実行時間に応じて加点する方法が用いられ、全チームの得点が公表されています。
規定課題部門の上位入賞チームは、
第1位 92 点 東京工業大学小長谷研究室
第2位 48 点 TenForks
第3位 43 点 redb
と、1位の小長谷研究室の得点が2位のTenForksの得点と大差です。これはおそらくCell/B.E.がプログラミングによって大きな性能を引き出せるということを示していて、たいへん工夫(苦労)しがいのあるプロセッサーと言えます。そうした点では、ベクトル・プロセッサーが世の中に出始めた頃といくぶん似ている状況なのかもしれません。
・自由課題部門の上位入賞は
第1位:チーム Mitochondria
「Cell Broadband Engine に対する重力多体問題計算の最適化」
第2位:チーム 東京工業大学小長谷研究室
「Cell BE プログラムの最適化手法の提案」
第3位:チーム itotlabo
「Cell を用いたクラスタシステムによる計算機合成ホログラムの高速化」
となっています。
・IBMのCell/B.E.のロードマップでは、倍精度浮動小数点演算の性能が大幅に向上する計画になっているので、これからが大変楽しみなプロセッサーと言えます。
・このコンテストは規定課題部門(課題が「連立一次方程式の求解」)と、自由課題部門とに分かれていて、規定課題は学生のみの参加ですが、自由課題の方は学生以外も参加できるとしています。
・それぞれ上位3チームが入賞していますが、東京工業大学小長谷研究室が規定課題で第1位、自由課題で第2位と、完全優勝は逸したもののすばらしい成績です。
・3月に小長谷先生と、さる会合で雑談をしていたときにCell/B.E.のLINPACK性能はすごいとしきりに強調されていましたが、このことだったようです。
・規定の「連立一次方程式の求解」の得点は、実行時間に応じて加点する方法が用いられ、全チームの得点が公表されています。
規定課題部門の上位入賞チームは、
第1位 92 点 東京工業大学小長谷研究室
第2位 48 点 TenForks
第3位 43 点 redb
と、1位の小長谷研究室の得点が2位のTenForksの得点と大差です。これはおそらくCell/B.E.がプログラミングによって大きな性能を引き出せるということを示していて、たいへん工夫(苦労)しがいのあるプロセッサーと言えます。そうした点では、ベクトル・プロセッサーが世の中に出始めた頃といくぶん似ている状況なのかもしれません。
・自由課題部門の上位入賞は
第1位:チーム Mitochondria
「Cell Broadband Engine に対する重力多体問題計算の最適化」
第2位:チーム 東京工業大学小長谷研究室
「Cell BE プログラムの最適化手法の提案」
第3位:チーム itotlabo
「Cell を用いたクラスタシステムによる計算機合成ホログラムの高速化」
となっています。
・IBMのCell/B.E.のロードマップでは、倍精度浮動小数点演算の性能が大幅に向上する計画になっているので、これからが大変楽しみなプロセッサーと言えます。
2008年04月14日
●5.0GHzに達したPOWER6プロセッサーと水冷クラスター・スパコン Power 575
・先週IBMが発表し、5月上旬(米国)に出荷されるIBM Power SystemsのハイエンドSMPサーバー Power 595には5.0GHzのPOWER6プロセッサーが64コア搭載されます。
・昨年から出荷されている IBM System p 570改めIBM Power 570では、4.7GHzのPOWER6だったので、POWER6のクロックは着実に上がっている印象です。
・POWER6はコア当たり1クロックで4個の浮動小数点演算を行なうので、5GHzの場合の1コアの理論ピーク性能は4 FLO*5GHz =20GFLOPSとなります(FLO:Floating point Operation、FLOPS: Floating point Operations Per Second)。
・64コアのIBM Power 595の場合の理論ピーク性能は、64*20 GFLOPS (1,280 GFLOPS)となります。IBMが発表しているLINPACK HPC性能(April 8, 2008)を見ると1,028 GFLOPSと、1 TFLOPSを超えました。ついに1ラック 1 TFLOPSのSMPサーバーの時代になったわけです。
・1ラック当たりのHPC性能で言えば、「水冷クラスター・スーパーコンピューター」として同時に発表されたIBM Power 575が圧倒的です。これは昨年の11月にSC07で展示されていたシステム(写真)ですが、きちんと約5ヶ月後に製品として発表されたわけです。
・水冷クラスター Power 575に積むPOWER6は4.7GHzのプロセッサーですが、これを2Uのユニットに32コア詰め込んでいます。これだけで理論ピーク性能は 4FLO*4.7GHz*32コアの601.6 GFLOPS、LINPACK HPC性能が466.9 GFLOPSとなりますが、1ラックには14ユニット入るので、1ラックの理論ピーク性能は14*601.6 GFLOPS (8.4 TFLOPS)となります。水冷に回帰したというのは冷却効率からやむを得ないという面もあるでしょうが、HPCでますます無視できなくなってきたグリーン・テクノロジー(省エネ)を促進するという積極的な一面もうかがわれます。
・ちなみにやはり先週おこなわれた日立「SR16000」スーパーコンピューターの発表では、4.7GHzのPOWER6を積む水冷モデル「L2」に加えて、3.5GHzのPOWER6による空冷モデル「L1」を提供するとしています(共に16プロセッサー/ノード(最初16コアと書いたのは誤りでした。私の大ポカで、正しくは16プロセッサー=32コアです。(訂正:4月22日))。これが水冷と空冷の冷却能力の差かもしれません。
・ラック当たりの理論ピーク性能で水冷クラスター Power 575の上となると、13.9 TFLOPS/ラックのIBM Blue Gene/Pになります。72ラックで1 PetaFLOPSの理論ピーク性能というのがBlue Gene/Pです。こちらはゆうゆう空冷です。
・ここでHPCでは忘れてならないベクトル・プロセッサー、たとえば最新のNEC SX-9と比較してみます。SX-9ではベクトルユニットのパイプライン部は3.2GHzで動作し、プロセッサーあたり102.4GFLOPSのピーク性能となっています。POWER6(5GHz)のコア当たり20.0GFLOPSという性能ですらいかにも小さく見えてしまいます。
・しかし、102.4GFLOPSの性能というのはプロセッサー内の8個のベクトルユニットの合計値なので、1ベクトルユニットあたりの性能12.8 GFLOPSというのがアーキテクチャの基本性能(1コアの性能)に相当すると言えなくもありません。そうすると12.8 GFLOPS(SX-9) 対 20.0GFLOPS(595)です。またラック当たりの性能で見ると水冷クラスター Power 575の8.4 TFLOPSに対して、SX-9のシングル・ノード システムは1.6TFLOPSですから、5倍以上の違いになります。
・ベクトル・レジスターとキャシュの性能差、メモリー・バンド幅の差ということがよく言われますが、このようにスカラー・プロセッサー・システムの演算性能の上昇傾向が続きベクトル・プロセッサーというアーキテクチャの優位性はさらに影が薄くなってきた感じです。ベクトル・プロセッサーによる大ヒットが、例えば次世代スーパーコンピューター・プロジェクトで可能かどうかも興味深いところです。
・昨年から出荷されている IBM System p 570改めIBM Power 570では、4.7GHzのPOWER6だったので、POWER6のクロックは着実に上がっている印象です。
・POWER6はコア当たり1クロックで4個の浮動小数点演算を行なうので、5GHzの場合の1コアの理論ピーク性能は4 FLO*5GHz =20GFLOPSとなります(FLO:Floating point Operation、FLOPS: Floating point Operations Per Second)。
・64コアのIBM Power 595の場合の理論ピーク性能は、64*20 GFLOPS (1,280 GFLOPS)となります。IBMが発表しているLINPACK HPC性能(April 8, 2008)を見ると1,028 GFLOPSと、1 TFLOPSを超えました。ついに1ラック 1 TFLOPSのSMPサーバーの時代になったわけです。
・1ラック当たりのHPC性能で言えば、「水冷クラスター・スーパーコンピューター」として同時に発表されたIBM Power 575が圧倒的です。これは昨年の11月にSC07で展示されていたシステム(写真)ですが、きちんと約5ヶ月後に製品として発表されたわけです。・水冷クラスター Power 575に積むPOWER6は4.7GHzのプロセッサーですが、これを2Uのユニットに32コア詰め込んでいます。これだけで理論ピーク性能は 4FLO*4.7GHz*32コアの601.6 GFLOPS、LINPACK HPC性能が466.9 GFLOPSとなりますが、1ラックには14ユニット入るので、1ラックの理論ピーク性能は14*601.6 GFLOPS (8.4 TFLOPS)となります。水冷に回帰したというのは冷却効率からやむを得ないという面もあるでしょうが、HPCでますます無視できなくなってきたグリーン・テクノロジー(省エネ)を促進するという積極的な一面もうかがわれます。
・ちなみにやはり先週おこなわれた日立「SR16000」スーパーコンピューターの発表では、4.7GHzのPOWER6を積む水冷モデル「L2」に加えて、3.5GHzのPOWER6による空冷モデル「L1」を提供するとしています(共に16プロセッサー/ノード(最初16コアと書いたのは誤りでした。私の大ポカで、正しくは16プロセッサー=32コアです。(訂正:4月22日))。これが水冷と空冷の冷却能力の差かもしれません。
・ラック当たりの理論ピーク性能で水冷クラスター Power 575の上となると、13.9 TFLOPS/ラックのIBM Blue Gene/Pになります。72ラックで1 PetaFLOPSの理論ピーク性能というのがBlue Gene/Pです。こちらはゆうゆう空冷です。
・ここでHPCでは忘れてならないベクトル・プロセッサー、たとえば最新のNEC SX-9と比較してみます。SX-9ではベクトルユニットのパイプライン部は3.2GHzで動作し、プロセッサーあたり102.4GFLOPSのピーク性能となっています。POWER6(5GHz)のコア当たり20.0GFLOPSという性能ですらいかにも小さく見えてしまいます。
・しかし、102.4GFLOPSの性能というのはプロセッサー内の8個のベクトルユニットの合計値なので、1ベクトルユニットあたりの性能12.8 GFLOPSというのがアーキテクチャの基本性能(1コアの性能)に相当すると言えなくもありません。そうすると12.8 GFLOPS(SX-9) 対 20.0GFLOPS(595)です。またラック当たりの性能で見ると水冷クラスター Power 575の8.4 TFLOPSに対して、SX-9のシングル・ノード システムは1.6TFLOPSですから、5倍以上の違いになります。
・ベクトル・レジスターとキャシュの性能差、メモリー・バンド幅の差ということがよく言われますが、このようにスカラー・プロセッサー・システムの演算性能の上昇傾向が続きベクトル・プロセッサーというアーキテクチャの優位性はさらに影が薄くなってきた感じです。ベクトル・プロセッサーによる大ヒットが、例えば次世代スーパーコンピューター・プロジェクトで可能かどうかも興味深いところです。
2008年04月06日
●クラウド・コンピューティングとHPC
去年の秋からクラウド・コンピューティングという雲が世界のあちこちから湧き上がっています。IBMがクラウド・コンピューティングに積極的なせいかもしれません。
・さしずめ紅雲は中国最初の無錫(Wuxi)のクラウド・コンピューティング・センター設立 (今年2月1日発表)、エメラルド雲がアイルランドのダブリンにヨーロッパのクラウド・コンピューティング拠点設立 (今年3月19日発表)、白雲がベトナムの科学技術省(MoST)とのパイロット・プログラム(昨年の11月13日発表)といったところでしょうか。
・最近ではアメリカのジョージア工科大とオハイオ大とIBMとで、Critical Enterprise Cloud Computing Services (CECCS) を設立する(今年3月26日発表)など、今後もさらに続きそうです。
・そのさきがけが青雲(藍色雲?)のIBMのBlue Cloudイニシャティブの発表でした(昨年の11月15日)。
・青雲の志というと英語でアンビシャスになりますが、そういう意気込みがこれには感じられます。Blue Cloudイニシャティブの発表によれば、IBMアルマデン研究所のクラウド・インフラストラクチャ -- Xen、PowerVM Virtualized Linux OS image、Hadoop Parallel Workload schedulingが含まれる予定 -- がベースになり、それにIBM Tivoliがサポートされるとなっています。Web 2.0のアプリケーションを開発できる環境が短期にできあがり、スケールアウトしているインフラの複雑な管理とコスト増を削減する助けになるものだと言っています。
・それに先だって昨年10月8日に、GoogleとIBMがワシントン大学を舞台に協力するAcademic Cluster Computing Initiativeの発表はまだ記憶に新しいものです。ユーチューブにあるAcademic Cluster Computing Initiativeの内容を見ると、ワシントン大学の卒業生でGoogleのシニア・ソフトウェア・エンジニアのクリストフ・ビシグリア(まだ20代か)がワシントン大学の学生にインタビューしたところ、数千台規模のクラスターと数テラバイトのディスクへとスケール・アウトしつつある最新のシステムがもたらすものに対して非常に優秀な学生ですらきちんとしたイメージがつかめていない。そこでオープンソースの技術を使用して並列プログラムのソフトウェア開発をするためには何を準備すべきか考えたというようなことを話していました。
・これを見ると、このプロジェクトに関心を抱いたIBMがBladeCenterなどのサーバーを大量に提供するなどして一肌脱いだというのがもともとの話のようです。大発表も初めはGoogleの一社員のこんな活動から始まったというのは、なかなかまねができないところかもしれません。
・星雲のシミュレーションをしている学生などがインタビューを受けていますが、これがとても生き生きしています。クリストフも全米の大学生がこのワシントン大学のクラウド・コンピューティング環境にアクセスするようになることが目標と抱負を語っているのがまたいいです。
・クラウド・コンピューティングの概念についてはいろいろ紹介されているのでそちらを見ていただくとして、Blue Cloudの発表等からHPC風に言い換えると、IBMでの起源は超並列コンピューターのIBM SP1やチェスのDeep Blue、Blue Geneスーパーコンピューター、メインフレームのSysplexテクノロジー、そしてGrid Computingの経験と実績に裏打ちされ超並列計算プログラム開発や実行、資源の管理を簡単にできるようにするインフラ環境を提供することにあるとも言えます。
・したがってワシントン大学やジョージア工科大の例のようにHPC分野が大学・研究機関向けクラウド・コンピューティングの対象分野になるのは自然なことでしょう。
・中小規模のデータセンターから大学の大規模計算センター、さらにはGoogleなどの超大型データセンターまで、動的にコンピューター資源を割り当てる仮想化技術が進み、インターネットからユーザーが必要なサービスを必要なだけアクセスできるクラウド・コンピューティング環境へ今の環境が置き換わっていくのはあんがい早い気がします。
・加えてこれがエネルギー消費を減らすグリーン・テクノロジー・モデルに該当するという重要さもあります。
・日本からも早く梅雲が湧き起こらないと、これからもHPC分野のソフトウェア開発面で差をつけられそうですが、どうなんでしょうか。
・さしずめ紅雲は中国最初の無錫(Wuxi)のクラウド・コンピューティング・センター設立 (今年2月1日発表)、エメラルド雲がアイルランドのダブリンにヨーロッパのクラウド・コンピューティング拠点設立 (今年3月19日発表)、白雲がベトナムの科学技術省(MoST)とのパイロット・プログラム(昨年の11月13日発表)といったところでしょうか。
・最近ではアメリカのジョージア工科大とオハイオ大とIBMとで、Critical Enterprise Cloud Computing Services (CECCS) を設立する(今年3月26日発表)など、今後もさらに続きそうです。
・そのさきがけが青雲(藍色雲?)のIBMのBlue Cloudイニシャティブの発表でした(昨年の11月15日)。
・青雲の志というと英語でアンビシャスになりますが、そういう意気込みがこれには感じられます。Blue Cloudイニシャティブの発表によれば、IBMアルマデン研究所のクラウド・インフラストラクチャ -- Xen、PowerVM Virtualized Linux OS image、Hadoop Parallel Workload schedulingが含まれる予定 -- がベースになり、それにIBM Tivoliがサポートされるとなっています。Web 2.0のアプリケーションを開発できる環境が短期にできあがり、スケールアウトしているインフラの複雑な管理とコスト増を削減する助けになるものだと言っています。
・それに先だって昨年10月8日に、GoogleとIBMがワシントン大学を舞台に協力するAcademic Cluster Computing Initiativeの発表はまだ記憶に新しいものです。ユーチューブにあるAcademic Cluster Computing Initiativeの内容を見ると、ワシントン大学の卒業生でGoogleのシニア・ソフトウェア・エンジニアのクリストフ・ビシグリア(まだ20代か)がワシントン大学の学生にインタビューしたところ、数千台規模のクラスターと数テラバイトのディスクへとスケール・アウトしつつある最新のシステムがもたらすものに対して非常に優秀な学生ですらきちんとしたイメージがつかめていない。そこでオープンソースの技術を使用して並列プログラムのソフトウェア開発をするためには何を準備すべきか考えたというようなことを話していました。
・これを見ると、このプロジェクトに関心を抱いたIBMがBladeCenterなどのサーバーを大量に提供するなどして一肌脱いだというのがもともとの話のようです。大発表も初めはGoogleの一社員のこんな活動から始まったというのは、なかなかまねができないところかもしれません。
・星雲のシミュレーションをしている学生などがインタビューを受けていますが、これがとても生き生きしています。クリストフも全米の大学生がこのワシントン大学のクラウド・コンピューティング環境にアクセスするようになることが目標と抱負を語っているのがまたいいです。
・クラウド・コンピューティングの概念についてはいろいろ紹介されているのでそちらを見ていただくとして、Blue Cloudの発表等からHPC風に言い換えると、IBMでの起源は超並列コンピューターのIBM SP1やチェスのDeep Blue、Blue Geneスーパーコンピューター、メインフレームのSysplexテクノロジー、そしてGrid Computingの経験と実績に裏打ちされ超並列計算プログラム開発や実行、資源の管理を簡単にできるようにするインフラ環境を提供することにあるとも言えます。
・したがってワシントン大学やジョージア工科大の例のようにHPC分野が大学・研究機関向けクラウド・コンピューティングの対象分野になるのは自然なことでしょう。
・中小規模のデータセンターから大学の大規模計算センター、さらにはGoogleなどの超大型データセンターまで、動的にコンピューター資源を割り当てる仮想化技術が進み、インターネットからユーザーが必要なサービスを必要なだけアクセスできるクラウド・コンピューティング環境へ今の環境が置き換わっていくのはあんがい早い気がします。
・加えてこれがエネルギー消費を減らすグリーン・テクノロジー・モデルに該当するという重要さもあります。
・日本からも早く梅雲が湧き起こらないと、これからもHPC分野のソフトウェア開発面で差をつけられそうですが、どうなんでしょうか。

