2007年10月19日

●次世代スーパーコンピューティング・シンポジウム2007

・ちょっと前になりますが、第二回になる次世代スーパーコンピューティング・シンポジウムは、今回も広い会場が満員になるという大盛況のシンポジウムでした。産官学に加えて政界からも参加しているというのがこの種の学術的な会としては印象的です。

・このことはプロジェクトの応援団が多岐の分野に渡っていることを示しているわけで、最初は心強いでしょうが、いわば多くのステークホルダーをどうやってプロジェクト成功に向けて収束させていくのか、これから大変な努力がいるだろうなというのが実感でした。

・岩崎筑波大学長が基調講演「計算科学への挑戦」でも話されていたと思いますが、私などはやはりいくつかのグランドチャレンジ問題に正面から挑戦することに次世代スーパーコンピュータ開発の意味がある、とするのがいちばん理にかなっているだろうと考えています。

・このプロジェクトを応援している産業界が、次世代スパコンを自社のR&Dに本格的に利用するためには投資判断するための、アーキテクチャなどについての次々世代にわたる信頼できる開発ロードマップが欲しいわけで、これは政府プロジェクトでは難題です。コンピューター・メーカーが自社製品化する際にしか提示できないでしょう。

・さらに予算が大きいからといって(地球シミュレーターのときの約二倍程度)、だれでも、どんな問題についても性能がだせるような10ペタFLOPS級のスーパーコンピュータなどが現在の技術レベルでできるわけがないのですから、アーキテクチャの変遷に対応し、性能を引き出していくだけのアプリケーション・プログラム開発の力量をつけていくことが必要です。フリーランチのよき時代はもう終わりつつあります。

講習会・シンポジウムでやや気になったのは、この点について楽観的というか、積極的な計画が見えない点です。今よりすぐれたコンパイラーは開発できるでしょうが、未開拓のペタFLOPSの世界がそれで済むものとは思えません。

・ベクトル・プロセッサーによるスーパーコンピューターが急速に関心を高めた1980年代半ばはプログラミング手法やアルゴリズム開発の意欲が非常に高かったときで、中でも物理学会が企画した(記憶では)冷房もないお茶の水は日仏会館に三日間缶詰めになって受けた講習会がいまでも記憶に残っています。

講習会主旨・詳細なアーキテクチャの情報をもとにして、性能を最後の1%まで引き出すためのプログラミングへ持続する熱気を作り出していくことはとても大事で、おそらくこの講習会はその先鞭をつけたのではなかったかと思います。

・改めていま見ると講習会の世話人(左)には、後の理研理事長や文部科学大臣の有馬朗人東大教授はじめ、この分野を重要とした先覚者諸氏が並んでいて納得です。こういう地味だが実際的な企画も、若い世代を対象に次世代スーパーコンピューター・プロジェクトの中で大いにすすめてみたらどうかと思いました。

cheer_hpc at 20:27│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!イベント・セミナー | 一般

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